大和楽
花吹雪
（はなふぶき）

　この作品は、昭和46年４月国立劇場にて、大和楽定期演奏会が開かれたときに初演されたものです。
　上村松園の絵の一つに文金高島田の大店の娘が花吹雪のなかに立っている絵がありますが、それをテーマに大和楽の「手習子」ともいうべき作品になっています。桜の花が吹雪のように散る春の日、稽古の行き帰りに一度会った人を思い出す場面、あきらめきれぬ女々しい心となった自分と想いをよせる人が羽織の袖に手を通したときを察する娘の気持ちが表されて踊り地になります。やがて花吹雪の散る中、来る日を待ちながら稽古の道を行くという筋書です。

　【著作権情報】　作詞／田中青滋　　作曲／大和久満　　振付／西川扇藏（十世）

（『西川会』解説より）